新規事業を立ち上げる際、具体的には何をすればよいのでしょうか。このページでは、新規事業を立ち上げるための6つのステップをご紹介します。
まずは、事業アイディアを出していきます。やりたいことやできることから考えることもできますが、社会から求められていることから考えると、事業として成り立ちやすくなります。社会から求められていることとは、生活の中での課題を解決すること。
つまり、アイディア出しは、課題を発見する工程ともいえます。課題が解決された際にどのような価値が生じるのか、その課題解決は対価を支払ってでもしたいと思われるものかなどについても、合わせて検討します。
アイデアを洗い出した後は、多数の選択肢の中から「どの領域へ経営資源を集中させるか」を決めるフェーズに入ります。領域選定は単なる思いつきではなく、事業がスケールする市場性と、自社が優位性を築ける強みの双方を見極める戦略行為です。以下のステップで論理的に絞り込むことで、検証や資金調達が円滑になり、事業化の確度を高められます。
まずは狙う市場規模を明確にし、統計データや業界レポートを用いて潜在需要を定量化します。目標売上が100億円規模なら、少なくともその数倍の市場ポテンシャルが必要です。既存産業が小さい場合は、ユーザー数×想定単価で潜在規模を算出し「10年後に届くか」を逆算します。
続いて、自社技術・ブランド・チャネルなどのアセットが活かせるかを棚卸しし、自社の強みを活かして競争優位を築ける領域かを確かめます。強みを安易に当てはめると、既存事業の延長にとどまってしまうため、敢えて強みが効きにくい領域も比較対象にし、投資で強みを創り込めるかを検討します。
PESTや3C分析でマクロ環境と顧客行動を整理し、未解決課題を特定してください。そのうえで「誰に」「何を」「どのように」提供するかを言語化し、価値仮説がユーザーの切実な課題を解消するか、また、その提供価値に対して価格を受け入れてもらえるかを検証します。
ポーターの5フォースやバリューチェーン分析を活用し、参入障壁・代替品・サプライヤー交渉力などのリスクを洗い出しましょう。また、関連法規や標準化動向、コア技術のロードマップを確認し、5年先の業界構造に適応できるかを判断します。
各候補領域について、初期投資・固定費・回収期間を試算し、NPV(正味現在価値)やIRR(内部収益率)で比較してください。複数領域をポートフォリオとして捉え、リスクとリターンのバランスを取りながら、経営陣の許容範囲内でリターンを狙える順に並べ替えます。
最後に、事業化検証からMVP、スケールの各フェーズにゲートを設定し、KPI達成度で継続か撤退かを判断する仕組みを設計しましょう。こうした評価基準を明確に設けることで、実現可能性の低い構想に過度なリソースを費やすリスクを抑えられます。
以上のステップを通じて、市場性と自社適合性を定量・定性の両面から検証しながら領域を絞り込むことで、アイデアが実現可能な事業ドメインへと磨き上がります。
続いて、事業を展開する領域を設定します。具体的には、「誰に」「何を」「どのような方法で」提供するのかを決めていきます。「誰に」は、ターゲットのことで、年代や性別だけにとどまらず、なるべく詳細に設定できるとよいでしょう。「何を」は、商品・サービスのことで、採用されたアイディアを具体的に形にしていきます。提供方法についても、十分に検討しましょう。事業ドメインを明確にすることで、時間とリソースを有効に活用することができます。
続いて、市場性と事業性を調べます。これが分かると、収益の見込みを把握することができます。新規事業の立ち上げを検討している市場の調査に加えて、収集した情報の分析をし、事業に反映するところまでできると良いでしょう。 また、事業性について。ここまでに設定してきた事業内容が、顧客にとって本当に価値のあるものなのか精査し、事業化する意義を調べます。なお、ここまでの3ステップでは、必要に応じてフレームワークを活用するのもおすすめです。
続いて、目標を決めていきます。数値目標はもちろんですが、理念やビジョンも定める必要がある目標の一つです。「この事業を通して何を実現したいのか」「この事業を進める自社が果たすべき社会的役割や意義は何か」について、明確にした上で、メンバーと共有します。この軸を中心に進めていくことが、ブレない事業に繋がるのです。 また、大きな目標も小さな目標も、「SMARTの法則」*を意識して設定すると、達成までの道筋が立てやすくなり、次のアクションにも繋がります。
*「SMARTの法則」とは:具体性・測定可能性・達成可能性・現実性・明確な期限の5要素に沿って目標を設定する方法。
続いて、事業を進めるのに必要な環境の整備です。経営資源、つまりヒト・モノ・カネ・情報のうち、何がどれだけ必要かを確認します。不足しているリソースは、自社で用意するのか、外部リソースを活用するのかについても検討します。ヒトや情報を外部リソースで補う場合は、オープンイノベーションを活用したり、外部コンサルタントを入れたりするのが一般的です。
最後に、具体的な行動計画を立てます。誰がいつまでに何をしておくのか、具体的に決めていきます。また、事業が動き出してからの、こまめな評価・修正も計画に組み込んでおくべき項目です。新規事業では、動き始めてからわかることも多くあります。適宜、事業を評価し、修正を重ねて改善していく必要があるのです。なお、立てた計画は、メンバーだけではなく、社内全体で共有しましょう。社を挙げて進めていく意識を持つことで、より円滑な事業推進が可能になります。
新規事業の立ち上げは一般的に、アイディア、事業ドメイン、市場性・事業性、目標、環境、計画のステップに沿って進めていきます。状況によっては、適宜、ステップの順番が替わったり並行して進めたりする可能性も考えられます。どのステップにおいても、具体性を意識し、メンバーと十分に検討することが重要です。また、フレームワークが活用できるステップもあるので、必要に応じて取り組んでみるとよいでしょう。
ここでは、「仕組み・制度化」「内製化」「低コスト」とそれぞれの目的別におすすめの新規事業コンサル・支援会社をご紹介。それぞれの強みを裏付ける成功事例もあわせてチェックしてみてください。
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