目次
自社や競合他社のコアコンピタンスについて考える際には、いくつかの知っておくべきことがあります。このページでは、コアコンピタンスの定義から、ケイパビリティとの違い、見極め方や活用方法をご紹介します。
芯・中核という意味のコアと、能力という意味のコンピタンスを合わせた言葉で、誰にも真似できず、市場を圧倒するような、企業の核となる技術や能力を意味します。コアコンピタンスは、以下の3つで定義されます。
ケイパビリティとは、高い品質や迅速な対応など、組織としての優れた能力のこと。コアコンピタンスは技術力や製造能力に、ケイパビリティは組織能力にフォーカスした考え方であり、どちらも強みの一つです。これらは相互補完的な関係にあり、どちらが欠けていても望ましい成長戦略の構築が難しいとされています。
ケイパビリティは、ジョージ・ストークとフィリップ・エバンスとローレンス・E・シュルマンの3人が、1992年に発表した論文「Competing on Capabilities:The New Rules of Corporate Strategy」で定義されています。一方、コアコンピタンスは、その2年前にあたる1990年に、ゲイリー・ハメルとC・K・プラハラードの2人が「Harvard Business Review」vol.68へ寄稿した論文で定義されました。
自社の強みを洗い出し、次の5つの視点で評価します。
コアコンピタンスは、汎用性が高く他の追随を許さない技術や能力です。ゆえに、他分野での応用、つまり新規事業の展開に活用できます。コアコンピタンスを活かした新規事業としては、「新市場開拓戦略」と「新製品開発戦略」と「多角化戦略」が挙げられます。
「新市場開拓戦略」では、コアコンピタンスを用いて開発された既存の商品を、新しい市場へ投入します。コアコンピタンスは圧倒的な技術・能力であるため、既存市場だけでなく、他の市場にも通用する可能性を十分に秘めているのです。
「新製品開発戦略」では、コアコンピタンスを応用して、新たな商品・サービスを立ち上げ、既存市場へ投入します。そのコアコンピタンスによって圧倒している市場での展開になるため、成功の可能性は高いといえます。
「多角化戦略」では、コアコンピタンスを応用して、新たな商品・サービスを立ち上げ、新しい市場へ投入します。本来リスクが高い「多角化戦略」も、コアコンピタンスを活用することで、挑戦しやすくかつ成功しやすくなります。
コアコンピタンスとは、「顧客に何らかの利益をもたらす自社能力」かつ「競合他社が真似しにくい自社能力」かつ「多様な市場や商品への推進が可能な自社能力」です。ケイパビリティは組織能力であるのに対し、コアコンピタンスは技術力や製造能力を指します。
自社の強みがコアコンピタンスであるかを見極めるには、「模倣可能性」「汎用性」「代替可能性」「希少性」「耐久性」の5視点から考える必要があります。自社のコアコンピタンスを見極めて、新規事業の展開に活かし、さらなる企業の成長に繋げていきましょう。
【選定基準】
Google「新規事業コンサル」と検索した際に上位に表示される60社のコンサルティング会社の中から、他社での実務経験・コンサル実績・講演実績が公式HPに明記され、自身で著書を出版している代表取締役が在籍する会社(2022年2月1日時点)