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事業開発の知識・スキルが不足している

新規事業開発で「スキル不足」に悩む企業は多い

経営者の約6割が担当者のスキル不足を感じている

新規事業開発は企業にとって重要なプロジェクトですが、担当者のスキル不足に悩むケースは決して珍しくありません。実際に企業の経営支援を手掛ける企業の調査によると、現在の新規事業開発メンバーについて「新規事業開発に必要なスキルが不足している」と感じている経営層は6割近くに上ることが分かっています。

新規事業開発部門のメンバーは、「社内から経験やスキルに基づき選定」されるケースが約7割と最多です。しかし、既存事業での実績や専門性を評価して起用したものの、いざ新規事業を担当させてみると、必要な能力が不十分であることが判明するケースが多いのが実情です。

これは、担当者自身が優秀でないわけではなく、ゼロから事業を創り出すプロセスに求められる要件が特殊であることに起因しています。結果として、多くの企業において、必要な技術やノウハウを持つ人材の不足が、新規事業を成功に導くための最大の壁となっているのです。

既存事業と新規事業で求められるスキルの違い

新規事業開発でスキル不足が顕著になる最大の理由は、既存事業と新規事業とで根本的に性質が異なる点にあります。既存事業はすでに市場や顧客が存在し、ビジネスモデルが確立されているため、業務の効率化や改善、立てた計画の確実な実行が重視されます。

一方で新規事業は、不確実性が非常に高く、結果が出るまでのスパンが長いという特徴を持っています。社内に参考となるデータや情報が不足している中で、自ら仮説を立て、市場での検証と修正を泥臭く繰り返しながら前に進まなければなりません。そのため、既存事業で通用した「計画を遂行するスキル」よりも、「新しいやり方を生み出しながら自走するスキル」が不可欠となります。

一般的に、新規事業の担当者に抜擢されるのは既存事業で大きな成果を挙げてきた優秀な人材です。しかし、これまでの成功法則や社内のノウハウが通用しない未知の領域に直面することで、「自分にはスキルがない」と自信を喪失してしまうことも少なくありません。まずは、両者で必要とされる能力やマインドセットが全く異なるという前提を深く理解することが重要です。

新規事業開発に必要な知識・スキルとは?

最も求められるのは「戦略立案」のスキル

新規事業開発を成功に導くために、経営層が最も必要だと考えているスキルが「戦略立案」です。どの事業ドメインで戦うのか、自社のどのような資産や強みを活用して新しい価値を生み出すのかという、上流の戦略や方針を描く力が求められます。

しかし実際の調査では、現在の新規事業開発メンバーが持っているスキルの中で「戦略立案」は5位にとどまっており、理想と現実に大きなギャップがあることが浮き彫りになっています。明確な戦略立案スキルが不足していると、方向性が定まらずに手当たり次第のアクションを起こしてしまい、結果的にリソースが分散して現場の疲弊を招きます。

事業の根幹となる方針を固め、経営層と目線を合わせながら戦略を構築する能力は、新規事業において極めて重要だと言えるでしょう。

ゼロからイチを生み出すアントレプレナーシップとリーダーシップ

全く新しい事業の種を見つけ出し、形にしていく過程では、いわゆる「アントレプレナーシップ(起業家精神)」が欠かせません。「こんなニーズがあるのではないか」「これは事業になるのではないか」というゼロからイチを生み出す発想力や、過去の成功体験にとらわれない柔軟な思考力が必要です。

また、前例のない取り組みを進める中では、不確実な状況でもチームを牽引し、見通しが立ちにくい困難な局面でも粘り強く事業を推進していく強い意志が求められます。既存の枠組みやシステムそのものを変革していく突破力と、チームメンバーのモチベーションを維持しながら目標へ向かうリーダーシップは、事業立ち上げの原動力となります。

プロジェクトマネジメントと社内合意形成力

新規事業開発は、アイデアを出して終わりではなく、それを実際に事業化し収益化するまでの長いプロセスを管理する「プロジェクトマネジメント」のスキルが必須です。市場調査からテストマーケティング、事業計画の策定、オペレーション設計に至るまで、限られたリソースと時間の中で着実にステップを進めていく業務遂行力が問われます。

さらに、新しい取り組みに対して社内外のステークホルダーに理解を求め、協力を取り付けるための「社内の合意形成力」やコミュニケーション能力も非常に重要です。既存事業の部署や経営層と適切に交渉し、予算や人員の承認を得ながら全社的な支援を引き出すことができなければ、どれほど優れたアイデアであっても実現することは難しくなります。

なぜ知識やスキルが不足し「しんどい」と感じるのか?

上流戦略や方針が曖昧なまま進めているから

新規事業開発の現場で担当者が「しんどい」「辞めたい」と感じる大きな原因の一つが、経営層による上流戦略や方針の不足です。どのような事業ドメインを狙うのか、自社のどの資産や強みを活用して事業を展開するのかといった、根幹となる方針が決まっていないまま走り出してしまうケースが散見されます。

方針が曖昧な状態で事業開発をスタートさせると、方向性が多数存在する「探索」のフェーズに手を出しすぎてしまい、限られた活動リソースが分散・不足してしまいます。その結果、一つのアイデアに対して十分な検証ができず、担当者だけが徒労感を抱えて疲弊してしまうのです。現場の負担を減らすためには、経営層と密に連携して戦略のすり合わせを行うことが不可欠です。

既存事業と同じ評価基準や仕組みで動いているから

新規事業の特性に合っていない組織構造や仕組みも、担当者を苦しめる大きな要因です。新規事業は不確実性が高く、実行と修正を繰り返す必要がありますが、既存事業と同じように「行動よりも精緻な計画」が求められたり、「失敗が許されない」風土であったりすると、担当者は身動きが取れなくなります。

また、誰も経験したことのない挑戦であるにもかかわらず、既存事業と同じ売上目標や基準で評価されてしまうと、挑戦の数やそこから得られた学びが正当に評価されず、モチベーションの低下を招きます。さらに、既存事業との兼務で新規事業に専念できない環境では、事業アイデアを収益化まで成長させることが極めて困難になります。

専門的な知識やリソースが圧倒的に足りないから

新規事業開発においては、最新の技術や専門知識、経験則が求められる場面が多く、社内リソースの不足が大きな障壁となります。とくに先端技術を活用したビジネスモデルを構築する場合などは、自社に適切な知見を持つ人材がおらず、自前主義にこだわりすぎるとプロジェクトの進行が著しく遅れてしまいます。

知識やスキルだけでなく、資金や時間、技術といったリソース全体が不足している状況も、担当者を精神的・肉体的に追い詰めます。市場の変化に迅速に対応しなければならない中でリソースが足りないと、計画の遅延や品質の低下が避けられず、事業の成功確率が大きく低下してしまいます。未知の領域を社内のリソースだけで乗り切ろうとする姿勢こそが、「しんどさ」を生む根本的な原因の一つと言えます。

【個人向け】知識・スキル不足を乗り越える解決策

社外の新規事業担当者と交流し知見を得る

新規事業開発に行き詰まりを感じた際、まず取り組むべき有効な手段は、社外の新規事業担当者と積極的に交流することです。社内において新規事業に携わる人材は少数派であることが多く、同じ悩みを共有したり、有益なアドバイスを得たりすることが難しい環境に置かれがちです。しかし、社外に目を向ければ、同じようにゼロから事業を立ち上げようと奮闘している担当者が数多く存在します。

他社の推進方法やベストプラクティス、直面している課題について直接対話することで、自社内では得られない新たな気づきやブレイクスルーのきっかけを掴むことができます。ミートアップや交流イベント、外部のコミュニティなどに積極的に足を運び、自らの知見を広げるとともに、社外のネットワークを構築することが、スキル不足の壁を突破する大きな助けとなります。

市場調査の手法やビジネススキルの基礎を学び直す

スキル不足を克服するためには、新規事業の土台となる市場調査の手法や、必須となるビジネススキルを改めて学び直す姿勢も重要です。市場調査においては、広範な市場ではなく具体的なニッチ市場にターゲットを絞り、アンケートやインタビューなどの一次情報と、既存の統計データなどの二次情報をバランスよく活用する工夫が求められます。

また、事業を推進するうえで欠かせないのが、チーム内外での円滑なコミュニケーションスキル、予算や資金調達を管理する財務管理スキル、そして予期せぬトラブルに冷静に対処する問題解決能力です。これらは既存事業でも使われるスキルですが、不確実性の高い新規事業の場では、より柔軟で迅速な対応力が試されます。自己学習や外部のセミナーを活用し、事業開発に特化した実践的なスキルを意図的に身につけていくことが成功への近道となります。

メンタルヘルスをケアし前向きなマインドを保つ

新規事業開発はプレッシャーや不確実性との戦いであり、知識やスキルと同等以上にメンタルヘルスのケアが事業の成否を左右します。長期間にわたる出口の見えない挑戦や、失敗に対する恐怖から、深刻なストレスを抱え込んでしまう担当者は少なくありません。精神的な疲労は集中力や判断力の低下を招くため、忙しい日々の中でも意識的に休息を取り、心身をリフレッシュさせる時間を設けることが不可欠です。

信頼できる同僚や社外のネットワークと悩みを共有して孤立感を防ぐとともに、新規事業は失敗の連続から学ぶプロセスであると割り切るポジティブなマインドセットを持つことが重要です。過去の小さな成功体験を振り返りながら自信を保ち、時には専門家のサポートにも頼ることで、困難な状況でも事業を前進させるしなやかな強さを養うことができます。

【組織向け】事業開発を成功に導く体制づくりと人材獲得

予算・意思決定・評価基準を既存事業と切り離す

新規事業を成功させるためには、組織の仕組みを根本から見直す必要があります。とくに重要なのが、「年間予算」「意思決定プロセス」「評価基準」を既存事業から完全に切り離すことです。予算に関しては、全社の短期的な業績変動に左右されず、中長期的な投資として独立した資金を確保することが求められます。

また、迅速な軌道修正が不可欠な新規事業において、月に一度の既存の経営会議での承認を待っていては致命的なスピード不足に陥ります。意思決定の権限を現場や専門のボードに委譲し、売上だけでなく「挑戦の数」や「プロセスからの学び」自体をプラスに評価する専用の制度を設けることで、担当者が失敗を恐れずに全力で取り組める環境が整います。

社内ハッカソンや研修プログラムで人材を育成する

事業開発を担う「イントレプレナー(社内起業家)」を育成するためには、実践的なトレーニングと経験を積める場を組織的に提供することが重要です。例えば、社内ハッカソンやアイデアソン、ビジネスコンテストを定期的に開催することは、社員の起業家精神を刺激し、事業創造のプロセスを疑似体験させる有効な手段となります。

単発のイベントで終わらせるのではなく、有望なアイデアが出た際には担当者が事業立ち上げに専念できるような人事異動や、業績連動型のインセンティブ制度を整備するなど、腰を据えた支援体制が不可欠です。社内のリソースを活用した育成プログラムを通じて、事業開発の土壌を長期的に耕していく姿勢が求められます。

外部人材の採用やオープンイノベーションを活用する

新規事業という未知の領域において、社内の人材やこれまでの経験則だけに頼る「自前主義」には限界があります。社内に必要なスキルやノウハウが不足している場合は、新規事業開発の経験が豊富な外部人材を採用し、チームに新しい視点やアプローチを注入することが効果的です。

さらに、他企業やスタートアップ、大学などと協働する「オープンイノベーション」や、伴走支援を行う「アクセラレータープログラム」を積極的に活用することで、自社にはない最新技術やリソースを迅速に補完できます。外部の知見を柔軟に取り入れるオープンな組織風土を築くことが、事業開発のスピードと成功確率を飛躍的に高める鍵となります。

まとめ:新規事業開発のスキル不足を解消し成功へ導くために

新規事業開発における担当者のスキル不足は、多くの企業が直面する共通の課題です。既存事業とは性質が異なる「不確実性」や「ゼロからの構築」に対応するためには、戦略立案力や強いリーダーシップ、そして社内外を巻き込む合意形成力が不可欠です。

こうしたスキル不足や現場の「しんどさ」を解消するには、個人による学び直しや社外交流だけでなく、組織として予算や評価基準を既存事業から切り離す仕組みづくりが欠かせません。自前主義に固執せず、外部リソースや専門家の知見を柔軟に取り入れることが、事業開発を成功へ導く最短ルートとなります。

目的→成功実例で見る
おすすめの新規事業コンサル・支援会社3選

ここでは、「仕組み・制度化」「内製化」「低コスト」とそれぞれの目的別におすすめの新規事業コンサル・支援会社をご紹介。それぞれの強みを裏付ける成功事例もあわせてチェックしてみてください。

大手企業におすすめ
事業が生まれ
拡大する仕組み作り
に着手したい
アルファドライブ
アルファドライブ公式サイト
引用元:アルファドライブ公式サイト
(https://alphadrive.co.jp/)

全メンバーが新規事業経験者
「実践知」を基に設計を支援※1

主な成功事例
三菱マテリアル株式会社

(従業員数:18,323名)

【Before】

事業として形にするための仕組み化が
不十分で、事業化に結びつかない…。

【After】

「ステージゲート」の手法でヘルスケアの新規事業を立ち上げ、同社初のカーブアウトに成功

  
中規模企業におすすめ
フレームワークを
導入しながら
内製化を進めたい
才流
才流公式サイト
引用元:才流公式サイト
(https://sairu.co.jp/)

21種のフレームワークで
新規事業の知見を高める※2

主な成功事例
中京テレビ放送株式会社

(従業員数:100名〜499名)

【Before】

4つの事業が独立し、プロダクトマーケットフィットの現在地がわからず、
優先順位も曖昧だった。

【After】

フレームワークを活用しドローン事業にリソースを集中させ、数か月で売上見込みが2倍以上に

小規模企業におすすめ
コンサル費用を
抑えながら

新規事業を始めてみたい
Pro-D-use
Pro_D_use公式サイト
引用元:Pro-D-use公式サイト
(https://pro-d-use.jp/)

5万円~とコストを抑えた
小規模事業者向けのプランあり※3

主な成功事例
株式会社イーステージ

(従業員数:数10名)

【Before】

経営者の“右腕”が不在で、新規事業に
ついて相談できる相手がいない…。

【After】

新規事業を通して感覚的な営業から
「根拠のある経営」にシフトできた

成功実例で見る
新規事業コンサル・
支援会社3選